中国の廃棄物輸入規制について現時点でわかっていること
以前より懸念されていました、中国向けの廃棄物輸出ですが、7月に中国政府より通告が出され2017年末までに輸入停止の緊急措置をとることになりました。
今回のブログでは情報を整理し、お伝え出来ればと思います。
2017年7月18日、中国政府は世界貿易機関(WTO)に対して、2017年末までに深刻な汚染を引き起こす懸念がある4カテゴリー、24種類の固形廃棄物の輸入を停止すると通告しました。
これに対して米国再生資源協会は「世界のリサイクル産業に甚大な影響を及ぼす」と声明を発表したとの事です。アメリカは年間56億ドル(6700億円)程の再生資源を中国に輸出しており、日本だけでなく世界的にも影響の大きい事態となっています。
具体的には下記の品目が輸入停止とされた24品目です。
生活由来プラスチック
- ビニルポリマーのスクラップや廃棄物
- プラスチックの複合フィルム
- ポリスチレンのスクラップや廃棄物
- 塩化ビニルポリマーのスクラップや廃棄物
- PETのスクラップや廃棄物、廃PETボトル(ベール)を除く
- 廃PETボトル(ベール)
- その他プラスチックのスクラップや廃棄物
- 廃CD破砕スクラップ
バナジウムスラグ
- 五酸化バナジウムを20%以上含む製錬鉄鋼バナジウムドロス、スラグ(製錬鉄鋼の粒状スラグを除く)
- その他製錬鉄鋼バナジウウドロス、スラグ(鉄または鋼の粒状スラグを除く)
- 五酸化バナジウムを20%以上含むスラグ、鉱物灰および残留物を含む他の金属との化合物(製錬鉄鋼を除く)
- 五酸化バナジウムが10%以上20%未満のスラグ・灰および鉱石他の金属との化合物・残渣物
未選別古紙
- その他回収紙・板紙
廃紡績原料
- その他の羊毛、織獣毛くず
- その他の羊毛、織獣毛の廃棄物(リサイクル繊維を含む、回収繊維は含まない)
- その他の粗獣毛の廃棄物
- その他の羊毛、織獣毛くず、粗獣毛の回収繊維
- 綿繊維の廃棄物(絹糸を含む)
- 絹の回収繊維
- その他絹廃棄物
- 合成繊維廃棄物(紡績くず、廃棄・回収繊維を含む)
- 化学繊維廃棄物(紡績くず、廃棄・回収繊維を含む)
- 新規または未使用の繊維原料で単一の繊維くず(廃糸、ロープ、コード、ケーブルおよびその製品を含む)
- 新規または未使用の繊維原料でその他繊維くず(廃糸、ロープ、コード、ケーブルおよびその製品を含む)
上記の記載の通り、生活由来の廃プラ関係はすべて対象になっています。中国政府は2017年末までに停止するという通達ですが、お客様によると既に中国系買取ルートで、PETの買取停止、買取価格の値下げ通知が来ているとの事です。中国現地のリサイクル会社により、対応の違いはあるものの、既に日本国内で影響が出始めています。
PETボトルに関しては、ベール品は輸入不可。Aフレークと呼ばれる洗浄脱水選別後のPETも不可になる可能性がありますが、現在は不透明です。(ルートにより、売却出来ているケースも有り)
追加発表された情報ですと、2019年には工場系の未使用廃プラも輸入停止になるとの事です。
停止時期 | 2017年末 | 2019年末 |
---|---|---|
品目 |
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|
中国は国内の廃棄物回収率向上と再資源化を強化する、重大な汚染原因を防止することを目的に廃棄物輸入を停止する、という行動を取った模様です。
古紙に関しても未選別古紙、ミックスぺーパーは輸出できなくなる見通しです。
現時点では不透明な点も少なくありません。新しい情報がありましたら、改めて発信して参りたいと思います。
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