家電線から銅ナゲットを製造し銅の買取価格も安定
株式会社ウェルサイクル 様
- 業種
- 収集運搬、リサイクル
- 主な対象物
- 廃家電
- 目的
- 銅ナゲットの製造
- 導入設備
- 乾式 銅ナゲット製造機
長野県上田市を中心に、一般廃棄物・産業廃棄物の収集運搬・処理を行っているウェルサイクル様に乾式 銅ナゲット製造機「TECNOECOLOGY」を納入いたしました。
中国の輸入規制の影響で雑線の販売価格が下落
ウェルサイクル様は、上田市から委託を受けて一般廃棄物の収集運搬・処理を行っています。その中に家庭から出る廃家電の回収があります。
回収した廃家電は、まず銅を含むコンセントケーブルやアース線など、リサイクルできる資源を選別します。選別した家電線はまとめて有価物としてリサイクルしていました。しかし、中国の輸入規制の影響で、被覆がついたままの家電線の買取価格が下がっていました。そのため、廃家電の収集・リサイクル事業の採算性が悪くなっているという課題をお持ちでした。
ウェルサイクル様では、以前から銅ナゲット製造機を検討されていました。フジテックスにもお問い合わせをいただき、実機を見学していただいたこともありました。当時は中国の輸入規制の前で、買取価格も安定していたため、優先順位が高くない、という結論で導入を見送られました。
家電線の買取価格が下がっているため、被覆と銅を選別し、より付加価値が高い銅ナゲットを自社で製造することの再検討が始まりました。
その際に、フジテックスのウェブサイトを見ていただき、新しい銅ナゲット製造機が案内されていることを知り、お問い合わせをいただきました。
海外製の環境リサイクル機器を安心して導入いただける体制作りを
お客様では銅ナゲット製造を以前から検討していたため、処理の流れ、事業についてはよくご存じでした。そのため、「TECNOECOLOGY」のメーカーのバックグラウンドや機械の特徴を中心にご説明しました。
イタリアの大手部品メーカーの子会社で、電線リサイクル機器の専門メーカーとして30年前に創業したこと。ヨーロッパと北米を中心に、グローバルに展開していること。銅ナゲットの精度を高めるための2段階の選別工程、機械の消耗を早くする処理物が熱を持ってしまうことを軽減するための機構、処理能力が150kg/hから1500kg/hの製造機と処理量に応じた6つのプリシュレッダーのラインアップをご紹介しました。
機械の特徴をご納得いただき、ご発注いただきました。納入いただくことになったのは、処理能力が150kg/hのユニットタイプのT150です。プリシュレッダーも検討いただきましたが、まずは手作業で前処理して銅ナゲット製造を行い、様子を見ながら必要があればご相談いただくことになりました。
「TECNOECOLOGY」は、水を使わない乾式タイプのため、排水の手配が不要です。また、T150は機器が1つにまとまったユニットタイプのため、比較的短時間で設置ができます。
家電線のコンセントなど、接合部分を切断し、40cm程度に切りそろえてT150に投入します。二段階の選別、粉砕工程を経て、プラスチックの被覆と銅ナゲットに分別されます。
日本で稼働事例が少ない海外製の機械を納入するのは、ご心配な点も多くあると思います。メーカーとの密なやりとり、ノウハウの蓄積、全国的なメンテナンスネットワークの構築を行い、導入後も安心して事業を行っていただける体制を強化して参りたいと思います。
フジテックスでは、今後もグローバルで評価されている環境リサイクル機器を日本に取り入れ、日本の環境リサイクル業界の発展に貢献いたします。
銅ナゲット製造テストの様子(動画・約50秒)
株式会社ウェルサイクル
長野県上田市を中心に、一般廃棄物・産業廃棄物の収集運搬・処理を行っています。引越しやリフォームなどで発生する家電、家具、住宅設備、衣料品など様々な廃棄物を個人からの依頼を受け付けており、出張引き取りも行われています。