太陽光パネルリサイクル設備で再生可能エネルギーの発電、利用、処理まで一貫して取り組む
加山興業株式会社 様
- 業種
- リサイクル業
- 主な対象物
- 太陽光パネル
- 目的
- 廃太陽光パネルのリサイクル
- 導入設備
- 廃太陽光パネルリサイクル設備
加山興業様はRE100企業として設定されています。再生可能エネルギー発電所の建設の他、自社工場の屋上を利用した自家消費型の太陽光パネル設置や小型風力発電も行われています。今回は、使用済みの廃太陽光パネルをリサイクルする処理機を導入頂きました。
太陽光パネルリサイクルに取り組む意義
加山興業様ではデンマークでの風力発電所や、国内だと長崎県、秋田県に太陽光発電所及び風力発電所をお持ちです。自社工場の屋上にも太陽光パネルを設置し、外部から購入する電力も全て再生可能エネルギーを利用しています。
太陽光パネルの製品寿命は25年から30年と言われています。2010年に開始した固定買取制度(FIT)で国内に普及した太陽光パネルは、2040年以降に廃棄物として大量発生する事が予想されています。使うだけでなく、使い終わった後の処理に関して、会社として取り組むべき事業と受け止め参入を決定されました。
ショットブラスト式で100%リサイクルへ
太陽光パネルの重量構成は6割がガラスです。ガラスのリサイクルをどう進めるかが経済的にも環境的にも重要になってきます。今回は複数あるガラスの剥離技術のうち、剥離制度が高く、様々な形状や状態に対応出来るショットブラスト式のガラス剥離装置を導入頂きました。
SUSショット材を高圧エアーで廃太陽光パネルに吹き付け、ガラスを砕いて剥離していきます。剥離されたガラスは選別機に送り込まれ、SUSショット材、ガラス粒、ガラス粉と分離されます。
アルミフレーム、ジャンクションボックスは非鉄リサイクルに、ガラスは建築資材への転用や再生ガラス原料としての利用、バックシートはサーマルリサイクルもしくは精錬会社で貴金属リサイクル原料と太陽光パネルの100%リサイクルを目指しています。
サーキュラーエコノミー構築への一歩
太陽光パネルのリサイクル技術、フローを構築する事は、自社だけでなくサーキュラーエコノミー(循環型経済)の視点から社会的にも必要不可欠な事業になります。CO2を出さないエネルギー源として利用される一方で、使用後の廃棄物処理で環境負荷が高いと本末転倒です。使い終わりリユース出来ないパネルを正しくリサイクルする事により、製品のライフサイクル全体で環境に寄与していると言えます。
パネルメーカー、発電事業者、発電所建設業者、再エネ使用者など様々なステークホルダーから必要となる太陽光パネルリサイクル事業を展開し、サーキュラーエコノミー構築への一歩として挑戦されています。