RPF塩素濃度の自社検査で、製紙会社の求める品質基準の維持を
- 業種
- 収集運搬、中間処理
- 主な対象物
- 廃プラスチック、RPF
- 目的
- RPFの品質管理
- 導入設備
- RPF用塩素検査装置
産業廃棄物の収集運搬、中間処理を行われているお客様へRPF(廃棄物固形燃料)用の塩素検査装置を納入いたしました。
2016年12月にRPF設備を納入したお客様で、生産したRPFは製紙会社へ燃料として販売しています。
RPF設備の納入事例はこちらからご覧ください。
RPFの塩素濃度を自社測定
お客様では、木くず、廃プラスチック原料が中心のRPFを生産しています。
製紙会社のRPF品質基準は、塩素濃度を0.3%以下に抑えることでした。
ご承知の通り、塩素濃度が高いRPFはボイラーの壁面を腐食させる原因となる為、納入先から品質管理を要求されます。
設備導入後、しばらくは外部の分析機関で品質検査を行われていましたが、新規の原料受け入れ時の分析や、出荷前の定期的な品質管理を行うための頻度が増えてきた為、検査機の導入をご検討されるようになりました。
品種\等級 | RPF-coke | RPF | 測定方法 | ||
---|---|---|---|---|---|
– | A | B | C | ||
高位発熱量 MJ/kg | 33以上 | 25以上 | 25以上 | 25以上 | JIS Z7302-2 |
水分 質量分率(%) | 3以下 | 5以下 | 5以下 | 5以下 | JIS Z7302-3 |
灰分 質量分率(%) | 5以下 | 10以下 | 10以下 | 10以下 | JIS Z7302-4 |
全塩素分 質量分率(%) | 0.6以下 | 0.3以下 | 0.3を超え0.6以下 | 0.6を超え2.0以下 | JIS Z7302-6 |
出典:一般社団法人 日本RPF工業会
真空型の検査で高精度の塩素測定を実現
ご提案した製品は、蛍光X線を用いた元素の分析装置です。試料室は真空にすることができ、より高い精度での分析が可能です。
ハンディタイプも検討対象となっておりましたが、塩素分析の精度が低い点、X線による被ばくリスクがある点をご説明し、当社の装置をご採用頂く事になりました。
分析の手順
- 試料ケースに測定対象を入れて、底部をラップする。
- 試料室にケースをセットし、蓋をしてスタートボタンを押すと試料室が真空になり、下部から蛍光X線を照射して分析を開始。
- 約100秒で分析が完了。
操作はパソコンから行うことができ、非常に簡単です。測定結果の履歴や、取引先へのレポートの印刷もできる為、取引先への情報提供といった営業的側面からもご活用いただける装置です。
製紙会社やセメント会社、鉄鋼会社などのRPFの使用先では、RPFの使用量を増加さえると同時に、品質管理を厳しくチェックする傾向にあります。
蛍光ⅹ線分析装置はこれまで海外製や大手分析機器メーカーの商品しか選択肢がなく、メンテナンス体制がない、イニシャルコストが高いといった面から、廃棄物リサイクル業界ではあまり普及していませんでした。
今回の製品は、従来の製品と比較し大幅にイニシャルコストが低く、メンテナンスの対応も迅速に行える点で、RPF製造業様には非常に好評です。
今後もお客様のご要望を満たす、より良い製品を探しご提案してまいりたいと思います。