地域で発生する廃タイヤをサーマル・リサイクルへ 持続可能な社会を築きあげる為の新規事業スタート
株式会社青森資源 様
- 業種
- 金属・自動車リサイクル業
- 主な対象物
- タイヤ
- 目的
- 新規事業/リサイクル率の向上
- 導入設備
- 廃タイヤリサイクル設備
地域へ貢献する新規事業の構想
今回、青森県で主に金属・自動車リサイクル業を展開されている株式会社青森資源様へ、廃タイヤリサイクル設備を納入しました。
以前より別の機械でお引き合いをいただいていたこともあり当社へご相談をいただきました。既存事業から派生して行える事業は何か?地域で困っていることに貢献できる事業は何か?という視点で事業構想し、約1年間、見学・業界情報・市況変化など情報収集を重ね、廃タイヤリサイクルを行うことに踏み切られました。
ビードワイヤーの除去、トレッドカット(背割り)した後に投入するラジアルカッター
廃タイヤの完全リサイクルを目指して
これまでは、自動車リサイクルから発生する廃タイヤをできる限りリユース(再利用)し、その他は廃棄処分をしていた流れを、リユース不可な廃タイヤの再生利用として、サーマル・リサイクル(燃料)化を検討し、雪国という地域柄、廃タイヤの発生量もある為、産業廃棄物の中間処理業も新たに取得されました。
サーマル・リサイクルは、廃タイヤを熱焼させ、その際発生した熱エネルギーを回収・利用する方法です。現在廃タイヤの約50%が、この方法でリサイクルされていると言われています。
タイヤの原材料の約60%は石油から製造されており、中間処理・リサイクルされたタイヤチップは1kgあたり35,000kJの総発熱量があります。この数値は、軽油や重油などの石油製品とほぼ同等です。そのため、石炭などの代替燃料としての利用が促進されています。
青森資源様では、まずビードワイヤー除去を行い、背割り機にかけ二分割し、最終的に32分割切断機にかけ、チップ(製品)にされます。ビードワイヤーは鉄スクラップとして有価物になり、チップになった廃タイヤは製紙メーカー向けに燃料として売却します。ボイラー燃料としての需要先として、国内では製紙工場以外にも、セメント、製鉄業などの工場で利用されることが多いです。
廃タイヤを32分割して燃料チップにする工程
廃タイヤ処理の様子(動画)
ビードワイヤの除去
トレッドカット(背割り)
ラジアルカット
32分割切断機で処理をしたタイヤ
補助金も無事採択
今回は、廃タイヤリサイクル設備の一連と、ものづくり補助金のご提案も併せ、ご採用いただきました。例年通りの予定でしたら、ものづくり補助金の申請タイミングの一次公募が3月開始だった為、年明けから事業計画のヒアリングをさせて頂き余裕を持ってご提案できたことで、補助金も無事採択されました。
青森資源様は元々お持ちのギロチンで切断許可を取得されており、タイヤ破砕機ではなく切断機を導入することで能力の許可変更のみで行政手続きが済むということも機種選定のポイントとなり、事業スタートの短縮にも繋がるということで切断機を選定されました。
今後中間処理事業として、自動車リサイクル以外でも廃タイヤの受け入れを行うことで、地域リサイクル向上・事業基盤の拡大にも繋がっていければと考えられています。
新しく許可取得や廃棄物処理の新規事業などお考えの方はお気軽にご相談ください。
納入時のご説明の様子
株式会社青森資源
株式会社青森資源は「限りある資源を大切に」を企業経営の基本理念として、昨今の環境悪化に鑑み、企業としての社会的な役割を果たすため、全職員が一丸となり豊かで美しい未来の実現に向けて、積極的に努力しております。