銅線リサイクルの環境が変化するなかで、新製品を探してイタリアへ
中国の輸入規制が強化されてから、雑線、廃電線の国内処理量が増えています。
昨年末から、フジテックスにもナゲット製造機、剥線機のお問い合わせをいただくことが増えておりました。これまでも海外製、国内製を含めてナゲット機はかなりの数を納入させていただいておりましたが、市場環境の変化に伴い、より良い製品はないものかとリサーチを重ねていました。
イタリア・ヴェローナのtecnoecology社、本社入口
顧客志向のtecnoecology社に共感しました
今回、商談を行ったうちの1社、tecnoecology社はイタリア北部のヴェローナに本社を構える電線リサイクル専業のプラントメーカーです。
日本の大手メーカーにも部品供給を行っている機械部品メーカーGrimoの子会社として1989年に創業しました。
イタリアを中心に、ヨーロッパ全域と北米、その他世界各国に電線リサイクルプラントを販売しています。
工場は、清潔に保たれていて、棚には部品が細かく管理されていました。また、完成品の在庫が5台倉庫に保管されておりました。顧客から発注を受けて、納品するためのリードタイムを短縮するため、常時完成品在庫を持っているということでした。
北米・世界各国に輸出しているため、グローバルで調達しやすく信頼性の高い大手メーカーの部品を積極的に使っているそうです。修理にも迅速に対応できるように、メーカーとしても部品在庫を豊富に持っています。
豊富な部品在庫
故障の低減、高い選別精度を実現するジグザクセパレーターと比重選別
銅ナゲット製造機のラインアップは150kg/hから、1500kg/hまでの4種類。すべて乾式タイプで水を使いません。一番小さなT150はユニット化されていますが、150kg/h以上の機種は設置場所に合わせて機器を組み合わせる構成になっています。
プリシュレッダーは17kWから180kWまでの6機種。直径の太い銅線の被覆を剥がしてピカ線を作る剥線機は4種類あります。
銅ナゲット製造機のすべての機種にジグザクセパレーターと比重選別の二つの選別工程があるのが特長です。一次粉砕(プリシュレッダー)の後、ジグザグセパレーターで異物、オーバーサイズを除去し、二次粉砕(ターボミル)の後に比重選別で銅と被覆を分別します。
一次粉砕の後にジグザグセパレーターをつけることで、二次粉砕に異物が入り摩耗することを防ぎ、同時に最終的な選別精度を向上させる設計です。
故障を防ぎ、選別精度を高めるジグザグセパレーター
tecnoecology社がナゲット機を納めた客先にも案内してもらえました。その会社では、以前別会社のナゲット製造機を使っていたそうですが、故障と修理を数回繰り返し、経年劣化してきたところでtecnoecology社にブランドチェンジしたそうです。
その会社が使用していたナゲット機の故障の原因は、ターボミルにオーバーサイズ品が入ったことにあるようです。サイズが大きいため、長時間粉砕工程に留まったことで、銅が熱をもってくることがあります。高温になった銅が被覆を溶かし、スクリーンを詰まらせ、故障の原因になったようです。
そのような故障を低減するためにジグザグセパレーターがついたtecnoecology社の製品を選んだと教えてくれました。
ヨーロッパの数社のナゲット製造機のメーカーを訪問した中で、tecnoecology社の工場の管理、設計思想、顧客志向に共感し、日本での販売を行うことを決めました。
銅ナゲット製造にご興味、ご関心がございましたら、ぜひフジテックスにもお声がけください。