【令和6年4月施行】金属スクラップヤード等規制条例/千葉県
金属製又はプラスチック製の使用済み製品等を収集して屋外で保管する「金属スクラップヤード」などの事業について、千葉県では事業場ごとに知事の許認可が必要になる「金属スクラップヤード等規制条例」が制定されました。
屋外における特定再生資源の不適切な保管等による環境悪化を防止するため、すでに事業を行っている既存事業者も対象に許可の取得を義務付けるものとなっています。
今回はこの法令がどういったものなのか、要点をまとめながらご説明します。
「金属スクラップヤード等規制条例」が定めていること
「金属スクラップヤード等規制条例」は次のことを定めています。・事業場ごとに事業許可を取得すること
・許可申請前に事業場の周辺住民に対する説明会の開催等を行うこと
・保管物の崩落や事業場における火災の発生等を防ぐための基準を守ること
・事業場に現場責任者を設置すること
特定再生資源を屋外において重機等を使用して積み上げて保管する「特定再生資源屋外保管業」を対象に、事業場ごとに県知事の許可を受ける必要になりました。
許可申請する場合、あらかじめ事業場から300m以内の区域住民に説明会を行う必要があり(行う前に県との事前協議も必要)、保管物の高さ制限、火災防止処置、現場責任者の設置など決められた基準を満たす必要があります。
※特定再生資源
・使用を終了し、収集された金属又はプラスチックが使用されている製品
・製品の製造や加工等の過程で生じた金属又はプラスチックの端材等
(廃棄物、有害使用済機器等を除く。)
※屋外
・屋根、周壁などを有する土地に定着した建造物の外
※重機等
・油圧シャベル、フォークリフト(最大揚高3m超)、クレーンなど
「金属スクラップヤード等規制条例」の基準とは
保管等の基準にはいくつか遵守しなければならない項目がありますが、ここでは特に重要となる保管物に対する保管時の高さ・面積について取り上げます。■保管物の保管の高さ(雑品スクラップは最大5m)
1.囲いに保管物の荷重が直接かからない場合
・勾配50%の高さまで
2.囲いに保管物の荷重が直接かかる場合
・荷重がかかる囲いの高さからマイナス50cm以上
・勾配50%の高さ
※いずれか低いほう
3.三方の囲いに保管物の荷重が直接かかる場合
・保管場所の境界から敷地境界までの長さが、高さの2倍以上
・怪獣がかかる囲いの高さマイナス50㎝以上
※いずれか低いほう、または「2.囲いに保管物の荷重が直接かかる場合」の高さ
■保管物の保管面積
・保管物の面積1つあたり200㎡以内
・保管物同士の間隔2m以上
※雑品スクラップを保管する場合
※仕切りがある場合は除く
■住民への周知義務
あらかじめ事業場から300m以内の区域住民に対して説明会実施
法令違反時の罰則等
無許可営業や県からの命令違反などによる条例違反を起こした場合、最高1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科され、必要があれば立ち入り検査や質問が行われます。法令とともに検討すべきことは
今回、法令が施行されるのは千葉県だけですが、施行後の状況次第では他道府県にも広がる可能性が考えられるなど、常日頃から事業場内の環境改善を見直していくことが不可欠です。事業場内の環境改善を検討するのであれば、コンクリート擁壁の設置や鉄コンテナの導入などをお勧めします。
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